解離とは切り離された意識のことを表します。

自分の我慢や心の器を超える出来事の遭遇から、そのことを認めることが困難になった状況に気持ちが耐えられず、体験した出来事への記憶の喪失、自分が誰であり、どこにいるのかという認識が意識から切り離されてしまうことです。自分が自分であるという感覚が失われている状態で、ひどくなれば自分が意識しない間に知らない場所にいたということもあります。

離人症である間は自身のことをまるで他人事のように感じ、痛みも減りますが、感動や自らの感覚も鈍くなっていることが特徴で、これが高じていくと、解離性同一性障害(多重人格障害)となることもあります。ひとつの人格があらわれている時には、違う人格は姿を消していてその時の記憶はまるでありません。

そのことにより、様々な支障が出てきます。人との約束を覚えていない。自分が行ったり言ったりした記憶がまるでない。そのことにより周囲から理解されない、信じてもらえない、本人にすれば心から悪気がない分、余計傷つくことが多くなります。

明らかに違う人格が現れているのに本人にその認識がまるでない場合、近しい身内の方はよく気をつけて早急に治療をうけるように促していかねばなりません。解離性障害はある一つの防衛本能の現れでもあります。決定的な治療方法はないと言われていますが、身内による理解、そして本人が安心できる環境を整えていくことにより症状は落ち着いてゆきます。信頼できる専門医を見つけてしっかり治療にあたらねばなりません。